CCP4 9.0アップデートまとめ

私の興味範囲のみのまとめです. 公式情報: https://www.ccp4.ac.uk/ccp4-8-0-updates/ リリースノートに記載されてないアップデートも実際にはあるのがCCP4 update. 実際にどのファイルが変わったのかは $CCP4/restore/update.log に記録されています. 9.0.006 2025-02-18公開 Acedrg 314 (rev 363) metal関係の修正 pdb fileを再び出力するようになった chiral signの決定方法の調整 (_chem_comp_bond.pdbx_stereo_configを見るように) sp2/sp3の判定方法の調整 2に関して.本来PDBファイルでの座標出力は必要ない (cifに含まれてる座標をPyMOL等で表示できるし,CootではImport Cif dictionaryしてからGet Monomerすれば良い)のだけど,あまりにも多くの人が無くて困ると言い出したということで,復活することになった. 3は,ccp4bb: Jeffamine dictionary の投稿を受けて.ただCCDのpdbx_stereo_config値をいつも信用して良いわけでは無さそう.また新たな混乱が起こるか…? 4は,下記にあるようにHECの辞書を作り直すときに水素が1つだけ付いた(HECとしてそのまま結合できる)状態を作るために-1のchargeを与えて辻褄を合わせようとしたが,意図通りに動かなかったので修正してもらった. monomer library https://github.com/MonomerLibrary/monomers/commits/ccp4-9.0.006 metals.jsonの更新 #57 CCD側の変更を反映 (水素原子関係) #50 すべての金属含有化合物を更新 #58 #60 1はmetals.jsonが単に更新されたものだが,異常に小さいsigmaの値が含まれる場合があり注意が必要 (servalの更新が入るまで保留にしていた). 2は以前CCDの更新を反映させた際に水素原子をスルーしてたので今回修正. 3ではついに金属含有化合物が一斉に更新された.HECは本来monomerとして登録されるべきではない間違ったものだが,とりあえずCoot等での利用のしやすさを考えて残した (HEMとCYSのlinkはCootがうまく認識しない). Servalcat 0.4.100 https://github.com/keitaroyam/servalcat/releases/tag/v0.4.100 0.4.99が入る予定だったが,twin refinementのやばすぎるバグを直した0.4.100を入れてもらった.metals.jsonのsigmaをcapするようになったこと,refmacatのmmcifに _atom_site.auth_comp_id や entity_poly が書かれるようになったのがCCP4的に重要な修正か.ccp4i2にNo refmac refinementのinterfaceも入った模様? 9.0.005 2024-12-10公開 Acedrg 306 (rev 347) link作成のバグ修正 (動作しない状態になっていた) 金属含有化合物への対応(途中) 9.0.004 2024-10-19公開 Acedrg 298 (rev 330) link作成時にplane/torsionの名前が重複する問題の修正 デフォルトのmonomer IDがUNLからLIGに変更 金属含有化合物への対応(途中) Servalcat 0.4.88 https://github.com/keitaroyam/servalcat/releases/tag/v0.4.88 ...

June 12, 2024 (updated March 2, 2025)

CCP4 8.0アップデートまとめ

私の興味範囲のみのまとめです. 公式情報: https://www.ccp4.ac.uk/ccp4-8-0-updates/ リリースノートに記載されてないアップデートも実際にはあるのがCCP4 update. 実際にどのファイルが変わったのかは $CCP4/restore/update.log に記録されています. 8.0.019 2024-04-11公開 monomer library 下記の問題のために古いバージョンに戻されてしまった https://github.com/keitaroyam/servalcat/issues/14 8.0.018 2024-04-03公開 新しいServalcatが入るはずでしたが,GEMMIのビルドシステム変更のためにGEMMIのバージョンを上げられず, 最新のGEMMIを必要とするServalcatも次のCCP4メジャーアップデートまで見送りとなりました. このためAcedrgのアップデートも見送りとなりました. 既知のバグが直ってないままになるのは残念だけど仕方ない.早く次のバージョンが出ますように Coot 0.9.8.93 https://www.mail-archive.com/coot@jiscmail.ac.uk/msg05645.html Mutate Residue RangeでDNAがRNAになってしまう問題の修正 TYRのHH原子に関する問題の修正: https://github.com/pemsley/coot/commit/5b52df6509afd137d72c604a6dde1232fe6cff70 monomer library https://github.com/MonomerLibrary/monomers/commits/ccp4-8.0.018 AX/RXを追加.phaserで使われる未知の異常散乱/実原子.なぜか今までのRefmacでは定義無しで動いていたらしい? #51 CCDにおける原子名の変更などを反映 #44 TYRのhh1 (OHのねじれ角)が間違っていたのを修正 #45 PROのNがsp2になってしまっていた問題の修正.すべてのP-peptideをプロトン化(NH2+)状態に #38 B12の修正 #41 PDBによるペプチド主鎖原子の修正を反映 #40 Robbieによる修正 #35 8.0.017 2024-01-18公開 Refmac 5.8.0425 http://fg.oisin.rc-harwell.ac.uk/scm/loggerhead/refmac/5.8/revision/487 残基数の最大値を50000から100000に symmetry related external bond distanceが正しく機能しないバグを修正 LINKヘッダに書く順序で認識されたりされなかったりするバグが発生しており,直っていない.Refmacatを使えば問題なし. CCP4i2 Refmac5インタフェースでRefmacatが使われるようになり,中性子構造の精密化のインタフェースが追加された. 残念ながらServalcatが古いままで,最近行った様々なバグ修正が反映されてない. Windowsでgemmi 0.6.4が正しく動かないバグが見つかったことが原因. doubleHelix 新プログラム https://doi.org/10.1093/nar/gkad553 8.0.016 2023-10-05公開 Coot 0.9.8.92 https://www.mail-archive.com/coot@jiscmail.ac.uk/msg05575.html 前回のad hocな解決方法ではDNA-SERやdisulfでも問題が起きることが分かったので,ついにちゃんとした修正が入りました. 一部まだ挙動が怪しいようですが. monomer library https://github.com/MonomerLibrary/monomers/commits/ccp4-8.0.016 ホスホジエステル結合(p)にtorsion angle alphaが抜けていたので追加 #33 Acedrg 278で20種のアミノ酸を更新 #32 すでにCCD (PDBの低分子ライブラリ)に存在しないエントリを削除 #30 gemmi 0.6.0以前でエラーになる項目を修正 #29 2.は一部のアミノ酸でねじれ角に不適切な理想値が設定されてしまっていた問題の修正です.特にMETやLEUなど.chi*の名前はREFMACでも使われるので,ちょっと大きな問題でした.同時に,nucleus distanceも最新のテーブルの値になっています. ...

June 14, 2023 (updated July 26, 2024)